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日本酒ビギナー向け【日本酒から選ぶ】熟成・発泡タイプに合う料理とは?

日本酒には、香りや味わいの個性によって、料理との相性が大きく変わる魅力があります。

なかでも熟成による深いコクや、発泡の軽やかな爽快感、甘みを楽しむタイプは、食卓に豊かな広がりをもたらします。

今回はじっくり時間を重ねた“熟成タイプ”と、泡が弾ける“発泡タイプ”の日本酒に注目して、相性の良い料理をご紹介します。

日本酒の味わい別ペアリングガイド」シリーズでは、①|酸・旨味タイプ編吟醸・辛口タイプを取り上げ、どのような料理が引き立て合うかをご紹介してきました。日本酒は、銘柄やスペックだけでなく、「味わいのタイプ」から選ぶことで、料理との相性がぐっと分かりやすくなります。
今回は③熟成・発泡タイプ編をお楽しみください。個性が際立つこの2タイプは、少し難しそうに感じるかもしれませんが、実は料理との相性がわかると、ぐっと身近で頼もしい存在になります。(全3回)

熟成のコクが広がる旨みタイプの日本酒

美しい黄金色や、琥珀色。ナッツやカラメル、はちみつ、ドライフルーツ、醤油や出汁を思わせる落ち着いた香り。奥行きを感じさせる、旨みのある丸みとコクを帯びた味わい。熟成酒には、そんな厚みのある香りや味わいがひろがります。

また、熟成によって酸が角を落とし、旨みと溶けあうことで、味に安定感が生まれます。このバランスの良さこそが、熟成酒が食中酒として優れている理由。同じくコクや旨みが特徴的なお料理と合わせると、日本酒も料理も、互いの味わいをより深く引き立て合います。

ミモレット熟成ゴーダなどの味わいが濃いチーズ、きのこやバターを使ったコクのある料理、照り焼き系の料理にも、負けることなく寄り添います。お料理と旨みを重ねていくようなイメージがぴったりです。

また熟成酒は、温度によって表情が変わりやすいのも特徴。常温〜少し温度を上げることで、旨みと香ばしさが一気に開きます。ワインで例えるなら、「室温で楽しむ赤ワイン」に近い立ち位置です。

おすすめ銘柄

大吟醸 熟成酒 轍
・製造:朝日酒造株式会社
(新潟県長岡市朝日880-1)

三年の熟成を経た大吟醸酒は、角が取れ、やわらかく穏やかな味わい。『轍』という名の通り、時間を重ねることで生まれる旨みと落ち着きが感じられます。常温、または少し冷やすことで、熟成由来の香ばしさと丸みのあるコクがゆっくりと広がる一本。記念日や節目の一杯として、静かに寄り添ってくれる熟成酒です。

出羽桜 特別純米 枯山水 十年熟成
・製造:出羽桜酒造株式会社
(山形県天童市一日町一丁目4番6号)

四季の温度変化を活かした「四季熟成」により、時間とともに深みを増した一本。口に含むと、重厚で奥行きのある旨みがゆっくりと広がります。十年という歳月が生んだ、落ち着きと安定感のある味わいが印象的。静かに向き合う時間に選びたくなる、熟成の魅力が詰まった日本酒です。

弾ける泡と軽快感が特徴的な日本酒

華やかすぎず、あと残りしない爽やかな香り。舌の上でやさしく弾ける、きめ細やかな泡。
発泡した日本酒には、このような特徴があります。

泡が甘みや旨みを包み込み、重さを感じさせることなく、スッと軽やかに消えていくのも魅力のひとつ。キリッと冷やして飲むことで、その爽快感はいっそう際立ちます。また、炭酸ガスが溶け込んでいることで、酸がしっかりと感じられる日本酒が多いのも特徴です。

この酸が後味を引き締め、キレのある印象を生み出します。
アルコール感も穏やかで、飲み疲れしにくく、スパークリングワインのような感覚で楽しめます。

唐揚げフライドポテトなど油を使った料理と合わせれば、泡と酸が油を切り、口の中を心地よくリセット。カルパッチョカプレーゼのような前菜とは、香りの方向性が重なり、相乗効果を楽しめます。マルゲリータオムレツなど、軽めの洋食と合わせてみるのもおすすめです。

おすすめ銘柄

MIZUBASHO PURE
製造:永井酒造株式会社
(群馬県利根郡川場村門前71)

伝統的な日本酒造りに瓶内二次発酵を取り入れた、本格派のスパークリング日本酒。
きめ細かな泡とともに、チェリーやライチを思わせる華やかな香りが立ち上がり、料理をやさしく包み込みます。
軽やかな口当たりと洗練された味わいで、日本酒の新しい楽しみ方を感じさせてくれる一本です

真澄 スパークリング
製造:株式会社平孝酒造
(宮城県石巻市清水町1丁目5-3)

瓶内二次発酵によって生まれた、繊細で美しい泡をもつ日本酒。澄んだ味わいの中に、穏やかな酸とやさしい旨みが感じられます。肩肘張らず、食事とともに楽しみたい、上品で落ち着いたスパークリングです。

甘みをたっぷりと味わえるタイプの日本酒

ゆっくり残り、食後酒やゆったり飲む一杯にもぴったり。しかしながら、甘みの中にきちんと酸や旨みが芯になっていて、くどくなりにくいのも特徴的です。

おなじくコクを伴った西京焼き味噌漬けなどの味噌料理や、白カビ・ウォッシュ系のチーズは相性抜群。チーズの乳酸由来の甘みやとろみにぴったり寄り添います。

また、酸味を含んだ酢豚黒酢系の中華料理も、日本酒の甘みが酸を包み込み、味の角が取れるようなペアリングに。

また、デザートとのペアリングにも最適なのが、熟成甘口や貴醸酒。洋梨などのフルーツや、あんこ系の和菓子とともに、締めに一杯合わせてみるのもおすすめです。

おすすめ銘柄

秘蔵純米 二十五年古酒
製造:笹の川酒造株式会社
(福島県郡山市笹川1 丁目178)

二十五年という長い時間眠り続けた、まるで別の酒のような古酒。琥珀色の深い余韻と、シェリーを思わせる芳醇な香りがゆっくりと広がります。日本酒というより「時間を味わう一杯」。食後に静かに向き合いたくなる一本です。

一ノ蔵 発泡清酒 すず音
【製造】株式会社一ノ蔵
(宮城県大崎市松山千石字大欅14番地)

瓶内二次発酵ならではの自然な泡感で、口当たりは軽やか。お米の旨みと、ふんわり漂うやさしい甘酸っぱさ。酢豚のような甘酸っぱい料理やデザートとも相性がよく、乾杯から食後まで寄り添ってくれる一本です。

熟成の深いコク、発泡の軽やかな爽快感、そして甘みを楽しむやさしい味わい。日本酒はタイプによって、料理との関係性が大きく変わります。旨みを重ねて寄り添うもの、口の中をリセットしてくれるもの、デザートのように余韻を楽しむもの。それぞれの個性を知ることで、ペアリングの幅はぐっと広がります。ぜひ気分や食卓に合わせて、日本酒と料理の新しい組み合わせを楽しんでみてください!

全3回にわたってお届けしてきた「日本酒の味わい別ペアリングガイド」シリーズ、いかがでしたでしょうか。日本酒は、銘柄やスペックだけでなく、「味わいのタイプ」から選ぶことで、料理との相性がぐっと分かりやすくなります。

まだ読まれていない方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
日本酒の味わい別ペアリングガイド①|酸・旨味タイプ編
日本酒の味わい別ペアリングガイド②|吟醸・辛口タイプ編

日本酒ペアリングで、いつもの食卓や外食の時間も、少し視点を変えるだけで、もっと楽しく、奥深いものになります。興味を持った方は、ぜひ他の記事もあわせてご覧ください。
ペアリング記事一覧

また、「実際に体験してみたい」という方は、ぜひリアルな場でも。
『おいしいSAKE』がお届けする街歩きイベントで、酒蔵おすすめの日本酒飲食店が考えるペアリングを、実際に味わってみてはいかがでしょうか。
おいしいSAKE WALK【公式】2026年5月23日(土)開催予定

この記事は私が取材しました。

たかぎ あゆ

ライター兼酒販店での販売スタッフをしています。もともと日本酒が好きでしたが、販売員として日々お客様や造り手と接するうちに、その味わいの奥深さや長い歴史、そして造り手の想いにますます魅了されました。さまざまな角度からあふれ出る日本酒の魅力を、自分なりのことばで丁寧にお伝えしていきたいと思います。

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