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日本酒の味わい別ペアリングガイド②|吟醸・辛口タイプ編

日本酒を飲んだとき、こんな香りや味わいを感じたことはありませんか?
「まるで果物のような華やかな香りだな」
「キリッと辛口でキレのいい味わいだな」
「香りも味わいも軽やかで飲みやすいな」

このように、日本酒は銘柄や造りによって香りや味わいの個性が実にさまざまです。第1回は酸味・旨味タイプの日本酒を特集、ペアリングの入門編として、日本酒ビギナーの方にも分かりやすく解説しました。

第2回では、洗練された香りとキレのある味わいが特徴の「吟醸酒」や「辛口タイプ」の日本酒に注目し、それらの魅力が一層引き立つ料理を具体的にご紹介します。(全3回)

日本酒と料理の組み合わせから生まれる「日本酒ペアリング」の魅力をお届けします。具体的なペアリング例をご紹介しますので、ぜひお試しください。
ペアリング記事一覧

①華やかな吟醸香が漂うタイプ

花にそっと顔を寄せたときのような、ほのかで繊細な香り。マスカットやメロンなどの爽やかなニュアンスや、バナナや熟したリンゴのような厚みのある果実香。日本酒を注いだグラスに鼻を近づけてみると、うつくしい香りだけで酔いしれることができてしまう。吟醸酒は、そんな力を持っています。

そんな日本酒にぴったりなのが、素材を活かした繊細なお料理ふぐ刺しヒラメの昆布締め湯葉刺し湯豆腐など、すだちや塩をつけて食べるようなお料理とぴったりマッチします。

雑味が少なく香りの綺麗な吟醸酒は、繊細なお料理と合わせることでお互いの持ち味を消すことなく、静かに引き立て合います。白ワインのような感覚で、さっぱりとした前菜と合わせて1杯目に楽しむのもおすすめです。

おすすめ銘柄

獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
・製造:株式会社獺祭
(山口県岩国市周東町獺越2167-4)

酒米の王様とも言われる山田錦を、23%まで磨き上げて醸した純米大吟醸です。上品で華やかな香りに加え、雑味がなく澄みきった味わい。最後にはゆったりとした余韻をお楽しみいただける一本です。

作 雅乃智 中取り
・製造:清水清三郎商店株式会社
(三重県鈴鹿市若松東3-9-33)

山田錦を全量使用した純米大吟醸。絞りの中でも最も澄んだ、最初に出た荒走りと最後の責めの部分を取り除いた中取りのみを使用。果実味あふれる華やかな香りと、透明感のあるエレガントな味わい。

キレのある辛口タイプ

口に含んだ瞬間に広がるのは、雑味のないクリアな味わい。甘さは控えめで、米の旨みだけが静かに輪郭を描きます。喉を通るときにわずかな熱を残しながら、後味は驚くほどすっきり。余韻を長く引きずらず、キレよく消えていくため、料理の味を邪魔しません。このような「軽やかさ」と「潔さ」を感じられるのが、キレのある辛口タイプの日本酒です。

そんなお酒にぴったりと合うお食事は、揚げ物焼き鳥などの、油でお料理されたもの。
天ぷら鯵フライ砂肝せせりなど。余分な甘みが残らない後味のドライさで、油を洗い流すように口の中をリセットしてくれます。また、お食事の味を邪魔することのない流れるような口当たりが、揚げ物や焼き鳥本来の味を消すことなく寄り添ってくれます。

おすすめ銘柄

酔鯨 特別純米酒
製造:酔鯨酒造株式会社
(高知県高知市長浜566-1)

食中酒にぴったりなキレの良い口当たり。酔鯨らしさのある酸味も、油を切ってくれること間違いなし。お米の旨みも感じることができる、食事に合わせたい一本です。

日髙見 超辛口純米酒
製造:株式会社平孝酒造
(宮城県石巻市清水町1丁目5-3)

日本酒度+10の大辛口の一本。辛いながらも飲みにくさはなく、コクを感じることができます。冷酒ではスッキリと、人肌燗だとやわらかみが増します。より揚げ物や焼き鳥との相性が良いです。

日本酒に合うのは“和食”だけじゃない!?意外性ペアリング

日本酒は和食に合うといったイメージを持たれるかもしれません。
実は吟醸・辛口タイプのお酒は、オリーブオイルハーブとの相性がばっちりなのです!

生ハムとトマトのカプレーゼや、鶏もも肉のハーブ焼きなど。吟醸・辛口タイプの口当たりの軽さが、オリーブオイルの上品な油分を受け止めながら、白ワイン感覚で後味をスッと流してくれます。また、吟醸香とハーブは青さのある香りや引きずらない余韻など香りの方向性が近く、その香りがうまくマッチします。

また、エスニック料理と合わせてみるのもおすすめです。例えば、ラム肉のクミン炒め。まず、ラムの軽やかな脂をキレの良さで切ってくれます。お酒の温度も大切です。冷やしすぎずに12~15℃くらいにして飲むと、アルコール感やキレをより感じることができ、スパイスとの一体感が出ます。

おすすめ銘柄

雪男 純米酒
製造:青木酒造株式会社
(新潟県南魚沼市塩沢1214)

喉を通ると、ピシッとした辛口のキレが立ち、後味は非常にドライ。余韻を引きずらず、潔く消えていくため、飲み疲れしにくいのが特徴です。この無骨でストレートな味わいは、油やスパイスを受け止めながら、口の中をきれいにリセットしてくれます。

黒龍 いっちょらい 純吟
【製造】黒龍酒造株式会社
福井県吉田郡永平寺町松岡春日1-38

口に含むと、なめらかで澄んだ口当たりとともに、やさしい米の旨みが静かに広がります。甘さは控えめで、全体の印象はあくまで辛口寄り。キレはありますが、雪男のような鋭さではなく、磨き込まれたような上質なキレ。少し温度が上がると旨みがふくらみ、より料理に寄り添います。

香りに合わせたペアリングや、キレの良さに合わせたペアリング。驚くような組み合わせも、ぴたりとハマったりする楽しさ。ご自身がお好きな日本酒を、さまざまなお料理と試してみてはいかがでしょうか?今回ご紹介したペアリングもぜひ、お試しください!

次回は、また異なる味わいの日本酒に焦点を当て、ペアリングの楽しみ方をさらに深掘りしていきます。どうぞ次回の日本酒の味わい別ペアリングガイドもお楽しみに。興味を持った方は、ぜひ他の記事もあわせてご覧ください。
ペアリング記事一覧

また、「実際に体験してみたい」という方は、ぜひリアルな場でも。
『おいしいSAKE』がお届けする街歩きイベントでは、酒蔵おすすめの日本酒飲食店が考えるペアリングを、実際に味わっていただけます。
おいしいSAKE WALK【公式】2026年5月23日(土)開催予定

この記事は私が取材しました。

たかぎ あゆ

ライター兼酒販店での販売スタッフをしています。もともと日本酒が好きでしたが、販売員として日々お客様や造り手と接するうちに、その味わいの奥深さや長い歴史、そして造り手の想いにますます魅了されました。さまざまな角度からあふれ出る日本酒の魅力を、自分なりのことばで丁寧にお伝えしていきたいと思います。

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