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【甘口・辛口①】×××を見ればわかる!自分でお酒を選べるようになろう!

日本酒ビギナーに「日本酒について知ってることは何かありますか?」と尋ねると、「甘口と辛口ってのがあるんでしょ?」と多くの人が答えてくれます。

その通り! 日本酒には甘口・辛口という全く異なる味わいがあります。極めて甘口のお酒と極めて辛口のお酒では、同じ日本酒という分類に属しているとは思えないほど、大きな違いがあります。

なるほど、それではぜひ飲み比べてみたい! そう思った皆さんがおそらくぶつかるであろう壁が、メニューを見てもどれが甘口でどれが辛口かわからないことだと思います。

しかし、実はざっくり甘口か辛口か教えてくれるある値があるのです!

お酒の甘口・辛口を判断できるようになり、自分で飲んでみたいお酒を選んでみましょう!

そもそも甘口・辛口ってどんな味わい?

甘口・辛口が判断できるようになる前に、そもそも甘口・辛口がどのような味わいなのか軽くご説明しましょう。

まず、甘口です。「甘」という漢字が使われていますが、いわゆる砂糖のようなベッタリとした甘さではありません。お米の糖分の味わいなので、フルーツのようなさらっと上品な味わいです。お米の旨みやコクも相まって芳醇さが特徴的です。

辛口も同様に、「辛」という漢字が使われていますが、唐辛子のような刺激的な辛さではありません。日本酒においては糖分の含有量が少ないことを辛口と表現しているので、実際に飲んでみるとかなりすっきりとした味わいを感じられます。英語の表現の方がイメージしやすいでしょうか。唐辛子のような辛さは「Hot」と表現される一方で、日本酒の辛口は「Dry」と表現されます。

日本酒の製造過程では、酵母によってお米の糖分がアルコールへと分解されます。甘口・辛口は、この過程を経て糖分がどのぐらい含有されているかによって、ある程度決定しているんですよね。

このように簡単に味わいを言語化してみましたが、日本酒の甘口・辛口は、言葉では表現しきれないほど繊細です。実際にご自身で飲んでみて、イメージを膨らませてみてください。

 甘口か辛口かは「日本酒度」が教えてくれる

それでは、日本酒の甘口・辛口はどうやって判断できるのでしょうか。

判断の指標となるのが、「日本酒度」といわれる数値です。この数値は日本酒の糖分含有量の参考になります。糖分が多く含まれれば含まれるほど日本酒度の数値は小さくなり、逆に糖分の含有量が少ければ少ないほど日本酒度の数値は大きくなります。

つまり、日本酒度の数値が小さくなるほど甘口数値が大きくなるほど辛口になります。

日本酒度の数値は、おおむね-10から10の範囲で表されます(-70や+28などの日本酒度も存在します)。

数値が小さくなるほど甘口になるので、マイナス値の日本酒は一般的に甘口であると考えられます。同様に、プラス値の日本酒は辛口であると判断できますね。

ただし、日本酒度は糖分の含有量だけでは決まりません。酸度やアミノ酸度など他の物質による影響で少し左右されるので、必ずしもマイナスの値だからといって甘口のようには感じないお酒もあります。

日本酒を完全に盲信してはいけませんが、大いに参考になることは間違いありません。

実際に飲み比べてみました!

本当に日本酒度は甘口・辛口の指標になるのか、実際に飲んで確認してみましょう。文字では味わいを完全にはお伝えできませんが、私の飲んだ感想でイメージを膨らませてみてください。

① 亀泉 CEL24 純米吟醸原酒(高知県・亀泉酒造)

日本酒度-16と数値上はかなり甘口の日本酒です。酵母にこだわって醸し出したフルーティさがとても評価されており、さまざまなコンペで優秀な賞を収め続けている逸品です。

香りは青リンゴのような酸味のあるフルーティさ。香りから上品な甘さを予感させます!
味は、まるでパイナップルのような甘さとほのかにプチっとした酸味が心地よいです。濃厚で味をしっかり感じる一方で、後味はすっきりしているので何回も口に含みたくなりました!

② 而今 特別純米火入れ(三重県・木屋正酒造)

日本酒度+1と、甘口・辛口の中間的な日本酒度を示している日本酒です。今や、日本酒ビギナーから日本酒好きまでもが大絶賛している逸品です。

香りはほのかにフルーティさもありつつ爽やかさも感じさせ、香りからも飲みやすさを感じます!
飲んだ瞬間に思わず、旨い!と漏らしてしまいました。甘い・辛いではなく、まさに旨いという表現が適切なように思います。お米の純粋な旨さを存分に感じられる逸品でした。

③ 極上吉乃川 吟醸(新潟県・吉乃川株式会社)

日本酒度+7とかなり数値が大きい日本酒です。信濃川の伏流水で仕込み、極上の清澄感とシャープな切れ味が特徴的な逸品です。

香りはかなりすっきり!
何も香りがしないわけではありませんが、フルーティさなどの甘口っぽい香りはありませんでした。
口に含むと透き通った水のような淡麗さ。口の奥の方でほのかにお米の旨みとコクがふわっと弾けます。お米の甘みが控えめな分、お米の旨みやコク・キレってこんなんだったんだ、という発見ができました!

最後に

甘口・辛口についてと、その指標となる「日本酒度」については理解していただけたでしょうか。

日本酒度を参考に、自分で飲みたいお酒を選んでみてください。自分でお酒を選ぶ経験を通して好みの銘柄を見つけると、もっと日本酒を好きになれますよ。

次回の記事では、より日本酒ビギナーである私の友人に甘口から辛口のお酒を何種類か飲み比べてもらい、好みの味わいを見つけてもらう体験をしてもらおうと思います。

この記事は私が取材しました。

たてかん(おいしいSAKEサポートライター)

東京都内在住の現役大学生(執筆時20歳)。初めての日本酒に故郷の灘五郷の香りを感じ、日本酒にハマりました。若者にももっと日本酒を好きになってもらいたく、日本酒ビギナー目線でコンテンツをお届けします。

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