桜咲く季節に日本酒を楽しむ!花見酒…春酒6選
長い冬を抜けて春の訪れはもうすぐ。
春はお花見やピクニックなど、アウトドアを楽しむのに良い季節。卒業や入学、新社会人になる方、新生活を始める方にとって、心の琴線に触れるシーンが続く季節でもあります。日本人は昔から、桜や花を愛でながら日本酒を飲むことで、季節の移ろいを楽しんできました。
日本酒の造りも終盤となり、春酒は「生酒」や「無濾過生原酒」のように、フレッシュさを感じられる日本酒を楽しむ事ができます。「春酒」(はるざけ)のお楽しみポイントをご紹介します♪
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この記事の目次
「春酒」(はるざけ)のお楽しみポイントとは?
お花見は庶民の最大の催しとして、奈良・平安の時代から行われていました。
桜の「さ」は田の神様、「くら」は神様のよりしろ。春に今年の豊作を願って、村人が桜の下で、神様と一緒になって酒を酌み交わしたのが、お花見のルーツと言われています。
時代が下り安土桃山時代の1598年、天下人となった豊臣秀吉が開いた「醍醐の花見」では、全国から700本もの桜が醍醐寺の境内に移植され、日本全国の名酒が集められたと伝わります。
「春酒」の楽しみ方を知り、春の風物詩、お花見などに備えておきましょう!
① アウトドア、常温(冷や)で美味しく飲める日本酒
お花見はアウトドア(屋外)で長時間過ごすことが多く、常温で美味しく飲める純米酒が重宝されます。ちなみに、常温の日本酒を「冷や」と呼びます。冷蔵庫がなかった時代から、「冷や」の日本酒を桜の木の下で飲んできた日本人。お花見の歴史や花見酒のルーツに想いを馳せてみても良いですね。
② パーティーにぴったりな飲みやすい日本酒
お花見や仲間と集まる席には、幅広い層が飲みやすいお酒を用意しましょう。飲みやすい低アルコールや、スパークリングの日本酒はお酒初心者にはおすすめです。春や花を連想させるラベルや、春っぽさを演出しているボトルは置くだけで、ウキウキ気分が盛りあがります。
③ 赤やピンクの日本酒
無色透明なお酒と違い、赤やピンクの日本酒があります。赤色酵母という赤くなる酵母や、赤米を使って造られていて、着色をせずに自然とピンク色になり、観ているだけで春らしさを演出します。
④ 桜の花酵母から造られた日本酒
花酵母(はなこうぼ)は自然界に存在する天然の酵母で、さまざまな花から抽出されるものです。日本酒に不可欠な酵母を桜の花から抽出した日本酒で、ロマンを感じながら花見酒を頼んでみてはいかがでしょうか。
⑤ 桜や花など、春らしさをモチーフにした日本酒
日本酒の銘柄のほとんどに漢字が使われていますが、花の名前を持つ銘柄は少なくありません。一番多いのは「菊」ですが、「桜」や「梅」など、春を連想させる銘柄も少なくありません。花があしらわれたラベルや、お祝いの場には縁起が良い名前の日本酒をお持ちしましょう。
おすすめの春酒6選
春酒のお楽しみポイントに合わせて、おすすめの日本酒をご紹介します。
1.純米にごり酒 さくらいろ(新潟県・鮎正宗酒造)
赤色酵母を使ったピンクのにごり酒
さくら色のにごり酒がとっても可愛らしい一本。 着色料などではなく赤色酵母という特殊な酵母でこの色を出しています。 にごり酒なので甘みも感じられますが、酸味のバランスが良く、甘酸っぱい印象の味わいです。
純米にごり酒 さくらいろ
●精米歩合:70%
●アルコール度:10度
●製造:鮎正宗酒造株式会社(新潟県妙高市大字猿橋636)
2.山崎醸 春かすみ 純米吟醸生原酒(愛知県・山﨑)
微発砲の状態で出荷。新酒ならではのフレッシュで爽やかな香りとのどごし
本年度に醸造した新酒をうすにごりにして調熟させ、微発泡の状態で出荷するものを“春かすみ”と名づけられました。酒蔵のある奥三河で契約栽培した高品質の酒米「夢山水」を全量使用した純米吟醸酒、さわやかな香りとのどごしで、やや辛口の本生原酒です。
山崎醸 春かすみ 純米吟醸生原酒
●原料米・精米歩合:酒造好適米「夢山水」55%
●アルコール度:16度
●製造:山﨑合資会社(愛知県 西尾市西幡豆町柿田57)
3.花見 口万 純米吟醸(福島県・花泉酒造)
綺麗な甘みと旨みが優しく広がる低アルコールのお酒
ふんわりと広がる優しい旨みと、低アルコール(13度)の口当たりの良さを感じる味わいです。 爽やかなキレを感じられ、お花見をしながら飲みたい一本です。
花見 口万 純米吟醸
●原料米・精米歩合:麹米/五百万石50%
掛米/夢の香55%
四段米/ヒメノモチ55%
●使用酵母:うつくしま夢酵母
●アルコール度:13度
●製造:花泉酒造合名会社(福島県南会津郡南会津町界中田646-1)
4.勲碧 純米吟醸 五条川桜 無濾過生原酒(愛知県・勲碧酒造)
千個の花びらからわずかに1個だけ採れた奇跡の酵母
日本桜の名所百選に選ばれている五条川桜並木、その桜の花びらから分離した桜酵母で醸したお酒です。華やかな香りとキレのある旨味が特長です。
勲碧 純米吟醸 五条川桜 無濾過生原酒
●原料米:夢吟香100%
●精米歩合:55%
●使用酵母:桜酵母 五条川桜
●アルコール度:17度
●製造:勲碧酒造株式会社(愛知県江南市小折本町柳橋88)
5.四季桜 花宝 純米大吟醸酒(栃木県・宇都宮酒造)
四季桜の代表銘柄のひとつ
名前に「桜」と「花」、ラベルにも桜があしらわれた春酒の決定版。お酒としての評判が、人気グルメ漫画『美味しんぼ』に紹介されたこともあり、鬼怒川畔柳田で醸された柔らかい味が口の中に広がり、春の訪れを感じさせてくれます。
四季桜 花宝 純米大吟醸酒
●原料米:兵庫県産山田錦
●精米歩合:40%
●使用酵母:栃木県酵母
●アルコール度:16度
●製造:宇都宮酒造 株式会社(奈良県葛城市東室27)
6.人気一 Rice Magic Sparkling Red(福島県・人気酒造店)
酒造好適米と古代米(紫黒米)で造ったスパークリング
乾杯にふさわしい赤色のスパークリング日本酒です! この日本酒の色合いもナチュラルな色合いの日本酒。 製造の際に酒米だけではなく、古代米「黒米(紫黒米)」の中でもアサムラサキという品種で造ったスパークリング日本酒です。 甘味と酸味が特徴で、アルコール度数7%という軽さから海外でも大人気の一本です。
人気一 Rice Magic Sparkling Red
●原料米・精米歩合:酒造好適米50%
●アルコール度:7度
●製造:人気酒造株式会社(福島県 二本松市山田470番地)
「春酒」の特集はいかがでしたか?
春らしいピンクのラベルや可愛らしくほのかに色づいた日本酒など、春酒を見かけたら、手に取ってみてはいかがでしょうか。
桜や春の訪れを楽しみ、「春酒」で乾杯しましょう(^^)/
この記事は私が取材しました。
おいしい日本酒 編集部
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